サリーシャは片手で口元を抑え、小さな歓声を上げた。サリーシャが想像した以上に、クッキーはとても美味しかったのだ。
「皆さんも是非」
サリーシャは皆が食べやすいように、皿ごとテーブルの真ん中に差し出した。それを見て、料理人達も次々に手を伸ばす。
「……どうかしら?」
サリーシャは心配げな顔で料理長の顔を見つめる。料理長は宙に視線を漂わせてもぐもぐと咀嚼した。そして、ごくりと飲み込むとサリーシャを見つめてにこりと微笑んだ。
「とても美味しゅうございます。子ども達も喜ぶと思いますよ」
「本当? よかったわ!」
「──もう少ししたら旦那様に午後の軽食をお届けに上がりますので、その時にこのクッキーも一緒にお届けしてはいかがでしょう」
「セシリオ様に?」
サリーシャは思わぬ提案にキョトンとして聞き返した。



