悲しそうな表情を見せたサリーシャを見て、料理人の一人は慌てた様子で紅茶に手を伸ばした。そのままティーカップを口許に運び、一口口に含む。
「美味しいです……」
「本当に? わたくし、無理やり言わせてないかしら?」
おずおずと尋ねたサリーシャに、料理人はブンブンと首を振って見せた。
「いいえ。本当に美味しいです」
思った以上の出来に驚いたような表情を見せた料理人の様子に、サリーシャは頬を綻ばせる。
「よかったわ。焼き立てのクッキーはどうかしら? 皆様に殆ど手伝ってもらったのだから、絶対に美味しいわね」
サリーシャは今さっき焼き上がったばかりの木の実のクッキーを一つ摘まみ上げた。そのまま口に含むと、サクサクとしたクッキーの食感に混じり、刻んだ木の実のコリコリとした感触が歯に当たる。それが香ばしさを引き出して、絶妙な焼き上がり具合になっていた。
「美味しいわ!」



