辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2


 先ほどオーバン氏と歩いた道をセシリオにエスコートされながら歩くと、次々と声を掛けられた。煌めく光が降り注ぎ、祝福の花びらが舞う。笑顔を浮かべた人々からの拍手が鳴り響き、祝辞が贈られる。

「サリーシャ」

 エスコートするセシリオが、少しだけ身を屈めてサリーシャに顔を寄せた。

「はい?」
「式が始まる前から、外にはかなりの人が集まっていた。俺達のお祝いに駆けつけた、一般の領民だ。手を振ってやってくれ」

 サリーシャはこくりと頷いた。

 大聖堂を出ると、領主とその花嫁の姿を一目見ようと多くの人々が集まっていた。大人はもちろんのこと、小さな子供から老人まで、皆が笑顔で祝辞を述べて手をふっている。事前に聞いてはいたが、その人数はサリーシャの想像を遥かに超えていた。きっと、それだけセシリオが領民から慕われているのだろう。

「サリーシャ? どうした?」

 歓喜に湧く人々に圧倒されて立ち尽くすサリーシャを、セシリオが覗き込む。

「その……。何もかもが幸せ過ぎて、夢のようです」