辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「実はミスが続いて落ち込んでいたとき、わたくしは閣下にはふさわしくないのではと思い始めていたのです。閣下のことを想うなら、子ができる前に自分は身を引くべきなのではないかと」

 サリーシャの顔を見つめるセシリオの眉間に、にわかに皺が寄る。

「でも、無理だとわかりました。少し離れただけなのに、毎日閣下に会いたくて、話したくて、抱きしめて欲しくて。わたくし、セシリオ様のことを自分が思っているよりもずっとお慕いしているみたいです。きっと、閣下に見放されてしまったら死んでしまいますわ」

 セシリオは驚いたように目を見張ると、サリーシャから目を逸らして「見放すわけがないだろう」と呟く。

 サリーシャはふふっと笑うと、こてんとセシリオの体に寄り掛かる。なにも言わずに腕が回されて、いつものように大きな手で髪と肩を優しく撫でられる。