辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 サリーシャは腕に力を入れて体を伸ばすと、高い位置にあるセシリオの頬にそっと唇を寄せる。セシリオは驚いたように目をみはった。

「さっき、ちょこっとだけ間違えたから今回は頬です」

 恥ずかしさからサリーシャはぷいっとそっぽを向いた。しばらく呆けるようにサリーシャを見つめていたセシリオが、またくくっと堪えきれないように笑いだす。
 後頭部に手が回され、引き寄せられる。今度は深く唇が重なった。

 ──これって、やっぱり罰になっていないわ。

 サリーシャはそう思ったが、セシリオが楽しそうなので黙っておいた。

 セシリオは再び窓の外を眺める。いつの間にか太陽がだいぶ傾き、空は茜色に染まり始めている。遠くの山の上を鳥の群れが一列になって飛んでいるのが見えた。

「閣下。わたくし、プランシェに行ってよくわかったことがありますわ」
「なんだろう?」