辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 予想外のセシリオの行動に驚いたサリーシャが固まっていると、セシリオはニヤッと笑った。首まで真っ赤にしたサリーシャはあわあわと口元を震わせる。

「閣っ、セシリオ様!」
「いい考えだろう?」
「ちっとも。そもそも、罰になっておりません」
「それは困ったな。では、お詫びにサリーシャから同じことをしてもらおう」
「セシリオ様!」

 ポスンと胸を叩くと、セシリオはまた楽しそうに笑った。

 ──でも、これってもしかして、わたくしに甘えてくださっているのかしら?

 セシリオは普段、他人にアハマス辺境伯として凛々しい姿しかみせない。メラニーも、セシリオは立場上人に弱さを見せずに感情を殺していることが多いと言っていた。
 そのセシリオが軽口を叩いてサリーシャになにかお願いごとをしてくれた。自分には気を許してくれている証拠に思えて、なんだかとても嬉しく感じた。