辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「待って、わたくし、それ知っているわ! 恋に落ちるとそうなるのよ!」

 ローラは少し身を乗り出すと、口早にそう言った。本ででも読んだことがあるのかもしれない。

「そう。わたくし、セシリオ様に恋しているのです。そして、セシリオ様もわたくしを慈しんで下さいます」

 にっこり微笑んだサリーシャと目が合うと、ローラは顔を歪めた。すぐに目を逸すと、スカートの上に置いていた手をぎゅっと握りしめた。淡い紫色のスカートにぽつりぽつりとシミができる。

「──ごめんなさい……、ごめんなさい……」

 顔をくしゃくしゃにして涙を零すローラを、サリーシャは優しく抱きしめた。いつも、セシリオが自分にしてくれるように、抱きしめながらポンポンと背中を叩く。

「ローラ様は謝ってくださいました。だから、仲直りですわ。でも、もうこんなことはしてはいけません。メラニー様とジョエル様にも、もう一度謝って下さいね」