辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2


 それきり黙り込んで黙々と食事をとり始めたセシリオをよく見ると、少しだけ耳があかい。サリーシャに『素敵』と褒められ、照れているのかもしれない。本当になんと愛しい人なのだろうと、サリーシャは表情を綻ばせた。

「閣下」
「なんだ?」

 呼び掛けられたセシリオが顔を上げる。

「結婚式、楽しみです」
「俺もだ」

 視線が絡まり、二人は微笑み合った。

 セシリオとサリーシャの結婚式はアハマスの中心地近くにある大聖堂で行われることになっている。王都の大聖堂に比べればこぢんまりとしているが、アハマスでは一番由緒正しく大きな大聖堂だ。
 辺境の地である上に、その一ヶ月後にはフィリップ殿下の結婚式も控えているため親戚関係にある貴族達も王都への移動などで予定が立て込んでいる。そのため、大規模な招待は行わずに内輪だけで行う予定だ。

 結婚式まであと少し。この人の正式な妻となる日が、今から楽しみでならない。