辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「ここはどこかしら?」

 サリーシャが窓をあけると、並走していた騎士に視線を送る。サリーシャに見つめられた騎士はすぐに気付いて馬車の近くに寄ってきた。

「ここはどこ?」
「デニーリ地区の中心街です。プランシェの領主館に行くには、デニーリ地区の中心街を通ると近道になります」
「ふうん、ありがとう」

 礼を言うと、騎士は黙礼して馬を操り、もといた斜め後ろの位置に下がった。
 サリーシャは手持ちの鞄を開け、持参した地図を開いた。指でなぞって今いる位置を探すと、デニーリ地区の中心街はプランシェ伯爵領との境界線すぐ近くに位置していた。目的地までは、さほど遠くなさそうだ。

「とても綺麗な街ね」

 サリーシャは車窓からの景色を眺めながら呟く。