辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 先日王都に行った際もかなりの荷物の量だったが、今回もあまり変わらないかもしれない。日程は短いが、お土産を詰めたせいだろう。
 その三つ目のトランクに荷物が詰め終わると、クラーラは持ち物リストのチェックが全て付いているかを確認し、満足げに頷いた。

「奥様、荷物の整理が終わりました。トランクを閉めてしまってよろしいですか?」

 サリーシャも手元のメモを見ながら、もう一度忘れ物がないかをチェックする。そして、ふと思い出して慌ててもうひとつ所持品を追加した。精緻な模様が施された金属製の筒を赤いベルベッドの袋に入れ、荷物の一番上にコロンと置いた。

「なにかお忘れでしたか?」
「望遠鏡よ」
「望遠鏡?」
「ええ。帰りにどこか立ち寄ろうとセシリオ様から誘われたの。持っていけば役に立つかと思って」
「あぁ、それはようございますね」