辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 憮然とした表情のセシリオを見て、モーリスはくくっと肩を揺らした。


◇ ◇ ◇


 プランシェへ出発する前日となるこの日、サリーシャは侍女達とともに荷物の最終確認をしていた。
 開いたトランクに詰められていくのは普段使いのワンピースに靴、鞄、化粧品などの日用品。それに、社交パーティー用のドレスもいるし、アクセサリーだって必要だ。セシリオに手紙を書きたいから少し可愛い便箋も用意しなければならないし、お世話になるプランシェ伯爵家の面々へのお土産も入れなければならない。
 サリーシャが見守る中、クラーラの指示のもとそれらの荷物を侍女達が次々とトランクへ詰めてゆく。既に大きな旅行用トランクは三つ目が満杯になりつつあった。
  
「随分とたくさんなのね」

 サリーシャはその荷物の量を見て、目を丸くした。思った以上に多い。