辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 購入する商品を店主に頼んで包んでもらっている間、雑多に商品が置かれた店内を見回していたサリーシャは、壁の置時計に目をやった。針は午後二時四十分を指している。

「あら、大変だわ!」

 サリーシャは小さく叫ぶ。セシリオは怪訝な表情をしてサリーシャの視線の先を追い、時計を確認するともう一度サリーシャの方を振り返った。

「どうした?」
「大変です、閣下。急がないと間に合わなくなっちゃう」
「間に合わない?」

 首を傾げるセシリオの手を引き、サリーシャは大急ぎで店を後にした。

 その文房具店から歩いて少しのところに、大きな時計塔と広場がある。白い石作りの時計塔の前に石畳の広場が放射線状に広がっており、時計塔が広場のシンボルとして王都の人々に親しまれている場所だ。その広場にたどり着いたサリーシャは、息を切らせて搭を見上げた。時刻は午後二時五十六分。ぎりぎり間に合ったようだ。

「ここは?」
「わたくしのお気に入りの場所です。わたくしのお気に入りの場所に行きたいって、閣下が仰っていたでしょう?」

 サリーシャはわくわくしながら時計塔を見上げた。