辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 セシリオはしっかりと封蝋が施されていることを確認すると、その封筒をモーリスに手渡した。

「ちょうど来月にはサリーシャがプランシェに行く。俺もサリーシャを迎えに行きがてら姉上の主催する社交パーティーに参加するつもりだから、帰りにデニーリ地区も視察してくる。アルカン殿から直接、治安維持隊の派遣や今回の協定の効果を聞きたいしな」
「ああ、そうだな」

 モーリスは同意するように頷くと、一拍を置いて何かを言いたげにセシリオを見つめてきた。セシリオはその視線に気付くと訝しげな顔をした。

「なんだ?」
「今度こそ奥様をどこかに連れて行ってやれよ」

 以前にも言われたようなことをまた諭すように言われ、セシリオはバツが悪そうに視線を逸らす。

「わかっている。視察しながら色々とまわってくる」

 モーリスはその様子を眺めながら、苦笑した。