意味がよくわからずに見つめ返すと、セシリオは困ったような顔をした。
「以前、本を贈って欲しいと言っていただろう? ドリスにリストを作っては貰ったが、あれ以外にも実際に手に取ったら欲しいものがあるかと思ったんだ」
サリーシャは予想しなかった言葉に目を丸くした。確かに、サリーシャは以前、セシリオに本を贈って欲しいとおねだりした。アハマスは辺境なので、王都ほど沢山の品揃えがない。そのため、執事のドリスがめぼしい本をリストアップしてくれ、サリーシャはその中から二冊ほど選んで贈って貰った。
「閣下は選ばないのですか?」
「俺は欲しいものがもう決まっている。きみも何か選んでくれて、喜んでくれたら嬉しいのだが」
そんなふうに優しく言われたら、選ばないわけにはいかない。この素敵な気遣いにサリーシャは笑顔で頷いた。結局、サリーシャはドリスのリストにはなかった新鋭の作家の恋愛小説を一冊と、歴史小説を一冊、それに旅行記を一冊選んだ。セシリオは領地経営に関わる本と、最新の兵器を紹介した事典だ。
「ありがとうございます、閣下」
「どういたしまして。今日はきみの喜ぶ顔が見たかったから、よかった」
こちらを見つめるヘーゼル色の瞳が優しく細まり、胸がトクンと跳ねる。歩き始めたサリーシャは片手を胸にあててチラリと横を伺い見る。まっすぐに前を見る横顔がとても凛々しく見えた。繋いだ手に少し力を込めるとすぐに気付いたセシリオがこちらを見下ろし、目が合うと二人は微笑み合った。
「以前、本を贈って欲しいと言っていただろう? ドリスにリストを作っては貰ったが、あれ以外にも実際に手に取ったら欲しいものがあるかと思ったんだ」
サリーシャは予想しなかった言葉に目を丸くした。確かに、サリーシャは以前、セシリオに本を贈って欲しいとおねだりした。アハマスは辺境なので、王都ほど沢山の品揃えがない。そのため、執事のドリスがめぼしい本をリストアップしてくれ、サリーシャはその中から二冊ほど選んで贈って貰った。
「閣下は選ばないのですか?」
「俺は欲しいものがもう決まっている。きみも何か選んでくれて、喜んでくれたら嬉しいのだが」
そんなふうに優しく言われたら、選ばないわけにはいかない。この素敵な気遣いにサリーシャは笑顔で頷いた。結局、サリーシャはドリスのリストにはなかった新鋭の作家の恋愛小説を一冊と、歴史小説を一冊、それに旅行記を一冊選んだ。セシリオは領地経営に関わる本と、最新の兵器を紹介した事典だ。
「ありがとうございます、閣下」
「どういたしまして。今日はきみの喜ぶ顔が見たかったから、よかった」
こちらを見つめるヘーゼル色の瞳が優しく細まり、胸がトクンと跳ねる。歩き始めたサリーシャは片手を胸にあててチラリと横を伺い見る。まっすぐに前を見る横顔がとても凛々しく見えた。繋いだ手に少し力を込めるとすぐに気付いたセシリオがこちらを見下ろし、目が合うと二人は微笑み合った。



