「元気だしなって未来。ずっと落ち込んでても何も変わらないよ」
「うん」
失恋から一週間が経っても私、小林未来はショックから立ち直れずにいた。そんな私を見かねた友達の橘沙紀が放課後、お茶をしようと言い、私の隣に座りさっきから背中をさすってくれている。
「それにしても和磨のやつ、何で断ったんだろう?未来はこんなに可愛いのに」
最後の一言には同意できず、ただ黙って聞いていた。
「未来。あの時に思い切って聞いちゃえば良かったのに」
「そうだよね~」
自分でもなぜ理由を聞かなかったのかと後悔の念に苛まれ、頭を抱えた。だが、あの時はフラれたショックで理由を聞く余裕なんてなかった。
「あまり思い詰めちゃだめだよ」
沙紀が心配そうに見つめてくるので安心させようと、今できる精一杯の笑顔を沙紀に返した。