次の瞬間、大きく揺さぶられて目が覚めた。

「大丈夫ですか? どうしました?」

「はい」

答えてから、気づいた。

これ、英語?

目を開けると、隣にはジェラールが倒れている。

ただ、ジェラールが……小さい!?

巨人ではないジェラール。



私もジェラールも病院には連れて行かれたが、どこも異常はない。

ただ、飛行機事故で記憶が混乱しているとは言われたが。

私は飛行機は荒野に不時着して助かったと答えた。

それを助けてくれたのがジェラールだとも。

けれど、その荒野がどこなのか、私もジェラールも答えられない。


答えられないけれど、私たちがここに存在しているのは間違えようのない事実で……

結局、ジェラールには、新しくイギリス国籍が与えられ、私たちはこの世界で新たな一歩を踏み出すことになった。

ジェラールは言葉も分からず、国王の座も失った。

それでも、私たちは今、幸せだと言える。

神さま、私たちの願いを聞き届けてくれてありがとう。




私が、釣鐘草のブーケを手に、優しいジェラールと結ばれるのは、それから4年後のお話。



─── Fin. ───



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