「気分悪いな。帰るか。」
「はい。ごめんなさい。」
「いや、奏が謝ることじゃない。俺のせいだ。ごめん。嫌な思いさせて。」
「大丈夫です。」
2人で、手を繋いで帰った。

 次の日は、終業式だった。
『明日から、夏休みかぁ。先輩とピアノを弾けないなぁ。』
 落ち込みながら、登校していると、先輩が待っててくれた。
「おはよう。」
「おはようございます。」
「一緒に学校行こうよ。」
「はい。」
朝から会えて、すごく嬉しかった。
いつも、放課後だけだったから。