月の砂漠でプロポーズ

「……それにしても、皆さんびゅんびゅん飛ばすなあ」

 あちこち、建設中の道路もあるみたいだし。

「ドバイはまだまだ発展するからな。レンタカーを借りて自分で運転していると、袋小路に入り込んだりする。ナビを借りてナビどおりに走っても、町のほうがナビと違うんだ」

 渡会さんが嘆息してみせた。

「ドバイはメトロも発達してますね」

「ああ。観光ならタクシーか地下鉄が便利だろう」

 次はドバイ・モール。言わずとしれた、世界最大級のショッピングモールだ。

「大きい……!」

 道路から見てもどれだけの奥行があるのか、よくわからない。

「東京ドーム二十三個分らしいな」

 ひょえーっと驚いてから素朴な疑問。

「……なぜ、大きさを表すのに東京ドームを使うんでしょう?」

 札幌ドームでもいいし、甲子園球場でもいい。

「……そうだな……」

 あ。諒さんが困っている。珍しいものを観れた。

「白状しちゃうと、どの球場を言われても、大きさはよくわからないんですけど」

 だから東京ドームで問題ない。
 笑顔で言えば、こいつめ、と鼻を摘ままれた。