月の砂漠でプロポーズ

「次はドバイ・ファウンテンだ」

 私はスイーツビュッフェの「チョコレート・ファウンテン」で名前を憶えたクチである。

「『ファウンテン』って泉や噴水って意味だったんですね」

「そうだな」

 ブルジュ・ハリファの南側にあるブルジュ湖で行われる世界最大級の噴水ショーで、四十階建てのビルに匹敵する噴水が吹きあがるんだそう。

「船に乗って鑑賞できる『レイクライド』も楽しそう~」

「ディナーは、ファウンテンショーを見ながら食べれるところを予約しておいた」

 わ! 至れり尽くせりです。

「やっぱり、イスラム教圏にきたからには、ジュメイラモスクは行っておきたいです」

「そうだな。唯一イスラム教徒以外にも開放されているモスクだしな。ツアーに参加すると内部の撮影も可能だそうだ」

「うーん……。ツアー参加はやめておきます」

 ガイドさんの説明を訊くのは楽しいし、ツアーならではの特典もある。
 でも、出来れば諒さんとのんびりと見学したい。写真には撮れなくても、諒さんと見上げたことが想い出になるだろう。

「わかった。俺ものんびりと見学したい」

 もしかして、私と同じ気持ち? だといいんだけど。