「でも、スーパーで買ったチョコより、ナッツがのった手作りのチョコブラウニーの方が、佐藤君も喜ぶと思わない? どうせあげるなら、喜んでほしいでしょ?」

 玲奈はうつむいて、小さくうなずいた。

 かわいい。佐藤君に見せてあげたい。

「それなら、決まり! あー、楽しみだね。去年と同じメンバーに、私から声をかけておくね」

 玲奈が『No』と言えないように、ハシャぐ演技をした。

 本来の私は、こういう強引な進め方は好きではない。でも、こうでもしないと玲奈はきっと動けないから、今回だけは特別にがんばってみた。

 玲奈と佐藤君がうまくいったアカツキには、私はこの長ーい初恋を終わらせよう。

 そして、私が泣いていたら、涙を優しくぬぐってくれる彼氏を、きっと作るんだ。

 あっ、それから、玲奈と佐藤君には、協力したお礼もしてもらおっかな…なーんてね。