カリスマ美容師は閉ざされた心に愛をそそぐ


 『占い師なんて、ウソなの!?』

 “っえぇぇぇー…”

 『人より霊感が少し強いの、で、月ちゃんの感情が私の心の中に流れこんできて、月ちゃんの心もちょっと見えちゃったぁ…。』


 私の心が見えた……、だから天気に例えたの。


 少し薄暗かった部屋の中が太陽の光でまた、いっぱいになってきた。


 『うわ~~、まぶしいー、太陽が勝ったのネ!!』


 いつの間にか、黒い雲はなくなっていた。


 『月ちゃんの心の中も、もうすぐ光でいっぱいになるよ。全ての誤解が消え、光とともに新しい道が始まる』


 不思議、朝日さんとは今日が初めてなのに、一言一言が私の何かをあたたかくしてくれる。


 彼女につられて笑顔になっている。身体中の力が抜けて、自然な笑顔なんていつぶりだろう。


 “なんか悪くないかも”


 『あーさーひーーー、いた、いたぁぁーーー!?』


 “っぇええ…”


 お互いがなんでここで、みたいな驚きの顔。


 『えっと…、お弁当屋さんの、確か月ちゃん?』


 さっきの空のように黒い雲が、立ち込めてくる。