「あ、ありがとう……」

繋がれた手が熱く、イヅナは頬を赤くしながら俯く。その時、「は〜い、みんな静かに！」と言いながらギルベルトがステージに登場する。刹那、どこか騒がしかったパーティーホールは静かになった。

「今日はみんなに新しい仲間を紹介するために集まってもらったよ〜」

ギルベルトがそう言うと、ステージにチェルシーとツヤに腕を引かれ、何者かが歩いてくる。ミルクティー色の髪を揺らし、ブローチのついた黒いリボンにピンク色のフリルたっぷりのワンピースを着た少女だ。その少女を目にした瞬間、イヅナは「えっ！？」と声を上げてしまう。

「ベラ・ゴドフリーです。五百歳くらいの吸血鬼ですが、皆さんと協力して妖と戦います。よろしく〜！」

その少女は、ツヤの血を飲んだあの吸血鬼だった。