「マジ!?そんな高度な呪いをかけれるなんてその姉さん神じゃん!……でも、その呪いが記憶を取り戻したせいで解けたりとかあるかも?」

「それだったら俺ら、もうとっくに殺されて喰われてるぜ。相手は強い戦闘力を持った鬼なんだからよ」

「いつ呪いが消えちまうのか、そこが緊張するところだよな〜。怖!」

こうして陰でツヤのことを悪く話す人たちがいることは事実だ。鬼という本来敵であるはずの存在が三大戦闘員の一人であり、団長であるギルベルトの信頼が厚いことが原因だろう。

「……ツヤさんは人を殺すなんて絶対にしないわ……」

怒りで体を震わせながら、イヅナは物陰で震える拳を握り締めた。



それからさらに数日。ツヤの様子は相変わらずだ。だが、少しでもツヤに話しかけておきたいと思い、イヅナはギルベルトの屋敷へと足を運ぶ。

「あれ、イヅナ?」

「お前、今日確か非番だろ?ここに来る必要ねぇじゃん」

庭を通り過ぎようとした時、庭で話していたアレンとレオナードに話しかけられる。その後ろにはチターゼとヴィンセントもいた。