あやかし戦記 千年前の涙

「お願い、私はどうなってもいいからツヤにだけは手を出さないで！」

「姉さんに触ったら殺すから」

互いに守り合うものの、イヴァンは「連れてって」と悪魔二体に言う。そして、無情な悪魔たちに引き摺られるように歩かされ、二人は実験室に連れて行かれる。

中には着物の上に白衣を着たミツヒデがおり、部屋には拘束具のついたベッドが二台並んでいた。

そのベッドに二人は寝かされ、手足を拘束される。そして、冷たい目をした父が薬品の入った注射器を手に持って言ったのだ。

「お前たちは私の心の中の穴を埋め、悪魔たちを楽しませるよう生まれ変わるんだ」

それぞれの腕から薬品が投与される。すると、ツヤの体を燃えるような激痛が襲った。だが、ミツヒデはその体をさらに痛め付けるようにどんどん薬品を注射していく。

二人が悲鳴を上げる中、悪魔たちとイヴァンは楽しそうにその光景を見ていた。

悪魔たちに捕われ、ミツヒデに実験体にされてから、ほとんど毎日のように薬を投与されて苦しむ地獄の毎日である。