「暁だって好きな子には甘えたいんだよ」
蒼真が言うと、千梨は「そっか!?」と大きな声を出す。
「ごめん、美鈴!今の聞かなかったことにして!?」
目の前で手を合わせられて頼まれていたら……
「──言うの早ぇよ」
後ろから聞こえてきた声。
その声に振り向けば、そこにいたのは暁。
どうやら、話を聞いていたみたいだ。
「暁、両利きなの?」
彼を見て聞いてみると。
「右利き」
かえってくる返事。
笑いながら答えるからいかにも嘘っぽくて、「本当は?」と聞くと……。
「両利き」
やっぱり本当に両利きだったみたい。
「…………」
「なにかあったときのためにどっちの手も同じくらい使えるように訓練したんだよ。
別に秘密にしてたわけじゃねぇよ?聞かれなかったから言わなかっただけで」



