「寝よ?」

ベッドに入った彼はお布団をめくると、隣の空いたスペースをぽんぽんしてる。

「ちょっと待って。
まだ明日の準備……」

「早く」

言い終わらないうちに彼の声が飛ぶ。
私は携帯を掴むと、渋々空けられたスペースへと身体を滑り込ませた。

「もー、ダメだよ、携帯」

布団の中で携帯の通知なんかチェックしてたら、彼からぶんどられた。

「まだチェック、終わってない」

「ダメ。
お布団の中で携帯禁止」

「でも」

必死で奪われた携帯を取り返そうとした……けれど。

「言うこと聞かないんだったら、こうだよ」

彼に腕ごと抱きしめられてしまい、身動きがとれない。
睨んでみたところで効果はない。

「最近、よく眠れてないんでしょ。
ゆっくり寝な」

……やっぱり彼にはかなわないな。