「あのさ」

「なあに?」

三歩先を歩く君が振り返り、不思議そうに首を傾けた。

「話が、あるんだけど」

「うん?
ここで?」

「あ、えっと、……下、降りようか」

一緒の川辺におりて黙って少しだけ歩き、誰もいない橋の下まで移動した。

「で?
話って?」

「うん」

手をぎゅっと強く握り、目を閉じて一度大きく深呼吸。
再び開いた視界にみえた彼女に、僕は思い切って壁ドンした。

「君が好きだ」

心臓の鼓動がうるさい。
自分でも柄じゃないと思う、大胆な行動。
そのせいか、顔が火を噴きそうなほど熱い。

「やっと言ってくれたね」

にっこりといままで見たことないほど綺麗な笑顔の君に、とうとう僕は座り込んでしまった。