私の前にはふっかふかのホットケーキ。
ああ、早く食べたい。

「こら。
まだお預け」

「えーっ」

そーっとだした手を、彼にぴしゃりと叩かれた。
その彼はまたコンロの方を向くと、引き続きホットケーキを焼いている。

「おまえがホットケーキタワーがやりたい、って言ったんだろ」


「……はい」


唇尖らせてみたら、チュッって彼からキスされた。
一発で大人しくなった私に彼が満足そうににやりと笑う。

「もう終わるから、テーブル片付けて」

「はーい」

テーブルの上にうずたかく積まれたホットケーキが置かれる。
いい具合に溶けたバターに蜂蜜がとろりとかけられて……最高!

「ほら。
ついてんぞ」

ぺろり、彼の舌が私の頬を舐める。
目があうとにやりと笑われて……ホットケーキの上の、バターのように溶けてしまいそうだった。