すぐに目を覚ましてしまった咲。
隣で眠る玲の母に少し安心する。

まだ今を信じられない。
もしかしたら夢なのかもしれないと思ってしまう。

玲の母を起こさないように、そっと布団を抜け出すと咲はゆっくりと立ち上がり、リビングへ向かった。

そこにあるソファに横になる。
決して玲の母の隣が嫌なわけではない。
でも、目を覚ましていると咲を心配して玲の母まで付き合わせてしまうのが申し訳なかった。

「眠れないのか?」
そこにパジャマ姿の玲が現れる。

咲を見つけると玲は部屋の暖房を入れて、咲に毛布をかける。