ラブホリック。

***


「旺太に?」
「はい。連絡先、知らなくて」

受け取った紙袋の中を覗き、首を傾げたトモキさん。

「ジャージ?」
「あ、……借りたんです。学校のジャージだから、なるべく早く連絡してくれると……」

学校まで届けに行けばよかったんだけど。
そうしたら、返すのが月曜日になっちゃうし。
行ったら、迷惑かけちゃうと思うし。
そうやっていろんな理由をつけて、トモキさんに託すことにしたんだ。


「わかった。連絡しとくね」
「お願いします。……あ。お忙しいところ、すみません。お邪魔しました」

ペコリと頭を下げたあと、なんだか事務的な、そんな話し方になっちゃったな、って思ったけど。
それ以上、なにかを口にすることもできなくて、もう一度頭を下げた。


「華乃ちゃん」

名前を呼ばれてゆっくり顔をあげると、トモキさんが心配そうな表情をしていた。


「旺太と、なにかあった?」


……え、っと。
なんていうか。
まぁ、あたしの中でだけ、なんだけど。
いろいろありまして。
うん。
……あたしの中で、だけ。


「あー…。あの、……ですね、」
「トモキさん、お願いします」

答えに困っていると、ハマダくんが呼びにきて。

……助かった。

「お忙しいところ、すみませんでしたっ」

ホッと胸を撫で下ろしたあたしは、逃げるようにして外へ出た。