心が、ぽかぽかと温かい。
思わず自分で自分をギュッと抱きしめた。
微かに香る、旺太くんの匂い。
旺太くんをすぐそばに感じて、なんだかくすぐったい。
「なにしてんの?置いてくよ」
「えっ!?」
スクールバッグを肩に掛け、ポケットに手を突っ込んだ旺太くんが、顔だけこちらに向けている。
自分をギュッと抱きしめたまま、瞬きを繰り返す。
……え?
えぇっ!?
もしかして…、一緒、に?
「ちょ、……ちょっと、待って!」
サッサと歩いて先を行く旺太くんを慌てて追いかけた。
ドキドキし過ぎて、なんだか胸が苦しい。
ついさっき自分の身に起きたことが、嘘のよう。
旺太くんの横で深呼吸をするあたしは、恋愛モードに突入しそうな勢いだ。
だめ。ダメだ。
でも。だけど。
チラリと見上げた旺太くんと目が合って。
びっくりして、慌てて目を逸らした。
「相変わらず、……い」
「え?なに!?」
「いや、べつに」
ボソッと、旺太くんがなにか口にしたんだけど。
ハッキリとは聞き取れなかった。



