先輩とあたしの関係を、どう説明するべきか。
正直、知られたくない。
だって。
『ワンコインの女』って言葉が、ずっと引っかかっていて。
旺太くんの記憶の中にも、まだその言葉が残っていたとして。
わざわざそれを色濃くする必要はない、って思ったの。
これ以上、印象を悪くしたくない、っていうのが本心だ。
「……あ。ジャージ、すぐに返します!帰ったら、すぐに洗濯するね。それで…っ、明日か、明後日…っ」
話題を変えようと、慌てるあたしを見て、フッと息を漏らした旺太くん。
「不格好」
スタスタと近づいてくると、自分の着ていたグレーのカーディガンをあたしの肩にかけた。
「……あ、あの」
「そのままじゃ、なんかヘンだし」
「でも。これじゃあ、旺太くんが」
「いいから。ファスナー、一番上まであげて。それから、その上に着て」
旺太くんはファスナーをあげるジェスチャーをしたあと、自分の首に巻いていた黒のマフラーを外した。
旺太くんに言われるまま、ジャージのファスナーを一番上まであげる。
その上にグレーのカーディガンを羽織ると、旺太くんは、あたしの首にぐるりとマフラーを巻きつけた。
すると、首元の、カーディガンの下のジャージは、すっかり見えなくなった。
「少しはマシになった」
「……あ、りが、と…う。ごめ、…なさ、い」



