ラブホリック。



「……お待たせ…しました」

着替えを終えてトイレを出ると、そこにはちゃんと旺太くんの姿があって。
胸が、ぎゅうっと苦しくなって、また泣きそうになる。

待っていてくれたという安心感。
待ってもらったという罪悪感。

なにをどう伝えたらいいのか。でも。
「ありがとう」と「ごめんなさい」は、絶対に言わなくちゃ。


「あ、」
「やっぱ、デカいな」
「…え?……あ、うん」

旺太くんから借りたネイビーブルーのジャージは、学校指定のものだった。
胸元には、白い糸で『泉水(いずみ)』と刺繍がしてある。

【泉水 旺太くん】

心の中で、何度も繰り返してた。


「ケガは、」
「あ…、大丈夫!全然、平気!さっき、ちゃんと洗ったし」

旺太くんが腰をかがめるから、咄嗟に膝を隠した。
擦りむいた傷は、範囲は広いけれど深くはない。

「警察には?」
「……え?」
「行くなら、付き合う」
「………ううん。行かない」
「知り合い、だから?」
「………、」