冷たい空気のせいでもある。
指先が小さく震え出して。
そうしたら、肩も、足の震えも止まらなくなった。
早く着替えなくちゃ。
だけど。早く、早く、って焦れば焦るほど震えは酷くなる。
「大丈夫だから」
「……え?」
「出てくるまで、待ってる」
放置したままの、あたしのスクールバッグを拾い上げた旺太くんの声が優しく響く。
「……っ、」
ぼろぼろと、涙がこぼれ落ちる。
次から次へと、溢れては流れていく。
なんだろう。
どうしてだろう。
何かに包まれたみたいに、温かかった。
さっきまでガチガチに固まっていた体が、軽くなっていくのがわかった。
「ほら」
旺太くんの手が、あたしの背中を優しく押した。
一歩踏み出したら、次の一歩も。
さっきまで動けずにいたのに、不思議と前に進んでる。
「うっ……、うぅ…っ」
いろんな感情が渦巻いて、涙が止まらない。
これ以上、好きになってはダメなのに。
必死に諦めようとしてるのに。
旺太くんの優しさは、あたしの心をかき乱す。



