ラブホリック。

***


「もしもしー。今、どこ?」

とある公園で、待ち合わせの相手に連絡を入れたんだけど。

『あー…。悪い。今日、ムリ。ごめん』

予想もしていなかった返事に、思わず大きな声が出てしまった。

「えぇぇぇっ!?なんでよっ」


待ち合わせの相手は、お兄ちゃん。
最近いろいろあったせいか、元気のなかったあたしを心配して、めずらしくご飯に誘ってくれてたんだ。
それなのに。

『リコが急に会いたい、って言ってきて』

「なに言ってんの?だったらもっと早く連絡してよー。待ち合わせ場所まで来ちゃったじゃん」

『だから、ごめん、って。また今度、近いう』
「ばーか」

喋ってる途中で切ってやった。
怒りに任せて、スマホをスクールバッグに放り込む。


可愛い妹より、カノジョってわけ?
………まぁ、そうなるよね。
あたしだって、お兄ちゃんよりカレシを選ぶだろうし。


「あー、むかつく」

滅多にないお兄ちゃんからの誘いに、浮かれちゃってたけど。
最近のあたしは絶不調なんだった。
上手くいかないことは続く、ってことね。

このまま帰るのも、なんだか。
でも、お兄ちゃんの財布をあてにしてたから、所持金なんてほとんどないし。

「さいあく」
「おい」

はぁぁぁ、と大きく息を吐き出したあたしの耳に、突然、飛び込んできた声。