ラブホリック。



「うーん…」

昼休み。和葉のクラスにやってきて、一冊の雑誌の前で腕組みをする。

表紙をめくるか、めくらないか。


「どうでもいいけど、悩むなら他でやってくれない?」

和葉が雑誌に手をかけたけど、慌てて制止する。

「お願い!もう少し待って!」
「はぁ?」
「和葉なら、わかるでしょ?あたしの気持ち。あと、ちょっと!ちょっとだけ待って!」

あたしの必死の訴えに、和葉は大げさに息を吐き出すと、いいかげんにして、と言って表紙をめくってしまった。

「あぁー!!」
「うるさいな、もうっ!」
「だってぇ…」
「なんで華乃のタイミングでいかなきゃいけないの?」


わかる。わかるよ。
和葉の気持ちは、よーくわかる。

毎月、発売日を楽しみにしてること。
発売日の昼休みを、どれほど待ちわびているか、ということも。

わかってはいるんだけど。


「気遣いって、大事でしょ?」

両手で目を覆い、隙間から和葉の表情をうかがう。

「それとこれとは別なんです」

和葉は、ツンとすましてオレンジジュース片手にページをめくっていく。