ポケットから出したキャンディーを、ひとつは自分に。もうひとつをあたしにくれた和葉。
「華乃の、全部は肯定できないけど。尊敬する部分は、ちゃんとあるよ。一生懸命な華乃を見てると、すごいなぁ、って。ほら、わたし、恋愛って苦手分野だし」
小さく笑うと、包みを開けてキャンディーを口に放り込む。
和葉を真似して放り込んだ、キャンディーの甘さと、さくらんぼの香りが口中に広がると、ほわほわと優しい気持ちになれた。
「わたしだったら逃げ出しちゃうようなことでも、華乃は、ちゃんと向き合ってるからね」
かっこいいこと言っちゃったな、と付け足した和葉が照れくさそうに笑った。
そうだよね。
あたしは、あたし。そこは変わらない。
……というか、変えられない。
あたしは、あたしらしく。
恋をしよう。
新しい恋をして、幸せになろう。
たくさん傷ついたし。いっぱい泣いたし。
そろそろ幸せな恋を手に入れてもいい頃だ。
のどにつまったドーナツを、ごくんと飲み込んだなら。
「おまえじゃなきゃ、ダメだ」
そんな言葉をくれる人と、恋をしよう。



