「……呪われてるのかもしれない」
和葉のいる教室にやってきて、思わず口に出してしまった。
次の授業の準備をしていた和葉が手を止めて首を傾げる。
「呪われてる、とは?」
「……得体の知れない、何かに」
「それって、付き合わなくちゃいけない内容だったりする?」
「もちろん」
クラスメイトからの連絡をスルーした二日間で広まっていた。
旺太くんとの、校門前でのやりとりが、あっという間に。
『二回目の告白も失敗に終わる』
面白くもなんともない見出しで始まる噂話が広まっていた。
予想はしていたけれど。
「告白なんてしてないのに。……できるわけないじゃん」
今ここでブツブツと文句を言ったところで、広まってしまった噂話をどうにかできるわけがない。
みんなが興味をなくすまで耐えなくてはいけないんだ。
「しばらくは大人しくしてなよ」
「わかってるよ、そんなの」
ぷぅ、っと頬を膨らませたところで、和葉はなんの興味も示してくれない。
自分に憑いているであろう「何か」を祓うように肩を撫でると、ようやく「やめて。気持ちわるい」と反応してくれた。
「っていうか。華乃って、すごいよね」
「なにが?」
「運はないけど、根性はある」
「……ねぇ。それって、褒めてるの?」
「うん。褒めてる」



