「持ってると…、たぶん、ずっと…」
悪びれた様子もなく立つボトルの存在感は、それはもう、なんとも言えないくらい大きくて、涙を生み出す憎きアイテムとなっていた。
じわじわと目の奥が熱くなる。
たくさん泣いたのに。
これでもか、ってくらい泣いたのに。
「なんでかな…。いつもと違うの。ちっともスッキリしないんだよ」
超絶イケメンに恋をしてしまったから?
もしかしたら、「運命」って言葉を口にしなかったからかも。
……それとも。
好きと伝えていないから、かな。
自己紹介は中途半端なままだし。
髪型が変わったことに気づいてくれたのか、それとなく確認することもできなかった。
『ワンコインの女』の意味も訊けていないし。
消化不良、ってやつかなぁ。
「胃の、ここが。ここんとこ、が。ずっと変な感じなんだよね」
右手でお腹をさするけど、ちっとも良くならない。
「……なんて言ったらいいのか、」
そのあとに続く言葉を見つけられないみたいだ。
和葉は下唇をきゅっと噛むと、視線を下へと落とした。
どうやら、あたしの望んでいる言葉をもらえそうにない。というか。
自分自身、どんな言葉を望んでいるのかもわからない。
ただ確かなのは、中途半端に慰められたくないってこと。
「あー…、ははは」
わからないことだらけ。
知らないことだらけ。
もう、笑って誤魔化すしかない。



