「花穂~。今日も図書館行くの?」
彼と友達になった日から既に3か月ほどが過ぎ、その頃には2人の関係もあの時より親しくなって名前の呼び方も『さん』付けから呼び捨てに変わっていた。
「うん。行くよ。」
「じゃあ、俺も行こう。」
「え~?一緒に行くの?」
口では不満そうな声を出したが内心では一緒に行動できることを嬉しく思っていた。
3か月、一緒に過ごしていると初めは何とも思っていなかったはずの彼のことがいろんな一面を知っていくうちにいつの間にか好きになっていた。
「別にいいだろ~?いつものことなんだし」
「まあ、別に良いけど。」
結局、2人で図書室に入り、お互いおもしろそうな本を探すため別行動になった。花穂が本を探していると、懐かしい本を見つけ手を伸ばすと隣からも手が伸びてきて目的の本に2本の指が同時に触れた。