スーツ姿で、アルミホイルに包んであるおにぎりを頬張る姿が、なんだか可笑しくて、笑ってしまった。 「…あ。笑った。そうやって笑ってる方がいいよ。悲壮な顔は君には似合わないし。ホントはもっと、笑う子でしょ?」 また、あたしを横から覗き込んだ。 「…そ、んなこと…。あたしのことなんて、何にも知らないくせに。」 一点を見つめながら、呟いたあたしに、 「今はまだ、よく知らないけどさ。でも絶対君は、笑ってる方が可愛いよ。」 あたしに向かって、朗らかに笑ってみせた。 .