「どうしたの?何か顔が蒼いよ?」 職場について、仕事を始めようとしたあたしに、同僚の女の子が心配してくれた。 「ううん。何でもないよ。大丈夫、ありがとね。」 返事を返して、いつものように午後の仕事をはじめた。 仕事に集中したいのに、何故だか浮かんでくるのはさっきの彼で。 『ツキト』だっけ? あぁそうだ。ソノダ ツキトって言っていたっけ…。 机に頬杖をついたら、ふわっと甘い香りがした。 あたしの服に残った、コロンの香り。 .