「やだよー。アヤちゃんがうん、って言ってくれるまで、離さない。」 あたしの頭を固定して、あたしを覗き込むツキト。 「ね?一緒にいて。俺と。」 ツキトの目に吸い込まれそうになる。 大丈夫、大丈夫…。きっと、大丈夫。 そのまま、大きく、頷いた。自分の意思で。 と、ふわりとあたしを抱きしめたツキト。 「好きだよ。アヤちゃん。」 ツキトのぬくい体温で香る、甘いコロン。 あたしとツキトの香りになるんだ。 きっと今日、部屋に帰ればツキトから移った香りが、あたし自身からも優しく香るんだろう。 .