恋愛-Secret love-



「もしもし、愛子?」

『うん、ごめんね。メールしたばっかなのに…』

「や、それはどうでもいいんだけど、…。どうしたの?」

『…薫に、矢野原くんのこと、相談したいことあって、メールした後に思い出しちゃって…』

どくん、

気持ちが不安定になる。

「あ……」

『ね、いい、でしょ?』

もやもや、っていうか
イライラ、っていうか

「…うん、なぁに?」

『今日ね、友美が言ってたじゃん…矢野原くん、あたしのこと好きなんじゃないかって…』

今すぐ、電話を切ってしまいたくなる衝動

「うん、」そう返事をして、枕に顔を伏せた

『変に自信もったわけじゃないんだけどね?やっぱ、その、ちょっと嬉しくて』

「…うん、」

『少しは期待してもいいのかなぁっ?えへへっ…!』


明るい愛子の声に、
言い様の無い苛立ちが、
浮かんで、消えて、浮かんで…

「ごめん、やっぱちょっと眠い」

『え?あ、ゴメン…!薫、眠いのに、わざわざ…』

「ううん、話聞けなくてごめんね?」

『いいよ!また今度で!
じゃあ、今度こそおやすみ』

「ん、おやすみ」


そうやって、あたしは逃げた。

だってあたしには、少し

辛かった。