でも、最近はあまり来て欲しくないから断ってしまったりもする。
しばらくリビングにいても、すぐ私の部屋に来てしまうから。
『湊月が自分の部屋にいる』そう思うだけでまともな会話なんてできるはずがない。
…まあ結局お母さんが家に来いって入れるのがほとんどだけど。
「…ねぇ亜莉沙、お腹すいた」
「朝ごはん食べてないからね」
「俺死んじゃうよ、いいの?」
「そのくらいじゃ死なない」
高校までは徒歩30分。
近くて偏差値もまあまあなところがたまたまあったため、そこを選んだ。
特に理由はないけど、通いやすいというのがいい点。
「…これ作ってきたからそれで我慢して」
そう言い、少し大きめのおにぎりを渡す。



