「お待たせ。待っててくれてありがと」
どうにかならないものかと考えていると、支度を済ませた湊月が降りてきた。
「…ん、行くよ。遅刻する」
「はーい」
ササッと靴を履いて外に出て、湊月は鍵を閉める。
「今日もおばさん仕事なの」
「うん、仕事だって。今日も亜莉沙んとこ行っていい?」
「…昨日も来たでしょ」
「ダメなの?」
「………考えとく」
そう、そして湊月の両親は仕事が多忙なため家にいることが少ない。
おじさん…湊月のお父さんは海外赴任しているから更に。
だから、私の家に遅くまでいることも少なくない。
小さい頃はよく泊まっていたと思う。