昔から野菜嫌いが治らず、今もそれは変わらない。 いつか食べれるようになると言って何年経ったのだろう。 「…食べたらごほーびくれる?」 「ものによる」 どうせくだらないものだろうけど、私だって特別野菜が好きというわけではない。 何とかして食べて欲しいと思う。 「約束だよ?」 「…わかったから、ちゃんと食べてよね」 「うん、頑張る」 何か含みのある笑顔を見せる湊月に気づかなかった私は、後で後悔することになるなんて思いもしなかった。