『亜莉沙おかえり〜。実は急用が入っちゃって、お父さんと出かけないといけなくなったの。湊月くんもきっと一緒よね?2人分の唐揚げが冷蔵庫に入ってるから、あとは亜莉沙が揚げて食べてね。明日には帰ります。お母さんより』
「…なに、これ…」
それは紛れもなくお母さんの字で書かれたもので、目を疑うような内容だった。
年頃の男女が2人きりで1晩過ごすということを、お母さんはちゃんとわかっているのだろうか?
いままで湊月と2人きりで1晩過ごしたことは一度もない。
必ずお母さんやお父さんがいた。
「へぇ…おばさんいないんだ、今日」
「う、うん…」
やばい、思い切り動揺してる。



