ドアノブに手をかけ回すと、がチャリと音を立ててドアが開いた。
あれだけ鍵をかけろと言っているのに、なかなかなおらない。
泥棒に入られても文句は言えないだろう。
「湊月、入るよ」
一応一言声をかけ、家に入る。
今日もおばさんは夜遅くまで仕事。
このまま湊月をほったらかしていたら、ご飯もろくに食べないで寝るに違いない。
「……湊月、起きてるんでしょ」
「………」
湊月の部屋の前で話しかけるけど、やっぱり無視。
高校生になってもこんなふうになるなんて、どこまで子供なんだろう。
「…ごめん、私が悪かった。きつく言いすぎだったと思う。今日はもう芽衣とも出かけないから、家来ていいよ。…泊まっていけば」
…うん、これで少しはいいかな。
最後の一言はいらないかもしれないけど、ずっとこの状態のままの方が私的にきつい。



