伝えたい気持ち

「早速だが、今日か委員会の仕事をしてもらう。」
次の日の朝の会で、先生がお知らせをした。
「白里、吉田。」
「はい。」
「はい!」
突然の指名に驚く佳織に対し、白里は特に驚いた様子もなく涼しげな顔で先生を見つめている。
「保健委員は今日の放課後、会議があるそうだ。二人でしっかり話を聞いてくるように。」
「はい。」
「は、い。」

「無理だよ~。いきなり話しかけるなんて。」
「何言ってるの!白里と仲良くなるチャンスじゃん!勇気だしな!」
昼休み、佳織は自分の机に突っ伏しながら弱音を吐いていた。
楓は、自分の椅子をわざわざ佳織の机まで持って来てさっきからずっと励ましてくれている。
「そうだけど~。」
「まあ、なんとかなるって。」
そんな風にウジウジとしていたらあっという間に昼休みが終わってしまった。
その後の五、六時間目の授業もどのように過ごしたのか覚えていない。

「吉田さん。そろそろ行こうか。」
「う、うん。」
そう言うと、白里君は教室のドアを開け廊下に出た。
「ほら!佳織。頑張りな!」
楓に背中を押され佳織も慌てて廊下に出る。後ろを振り向くと楓がひらひらと手を振り声を出さずに頑張れと言ってくれた。佳織も無言でうなずき、少し前を歩く白里君を追いかけた。